Abstract

この論文では,ミスマッチ陰性電位(MMN)に反映される言語特異的な長期的語音痕跡と音韻ループで用いられる言語表象との関連を調べるために,MMNに及ぼす無声のリハーサルと無関連スピーチの影響について調べた。実験1では,8名の成人実験参加者から,純音および語音に対するMMNを記録した。参加者はその記録中,無意味語を繰り返しリハーサルすることを求められるか,ただビデオの映像を見ているかであった。無意味語のリハーサル,つまり構音コントロール過程への負荷は,どのMMNにも影響しなかった。実験2では,12名の実験参加者からMMNを記録した。その記録中に2種類の背景音(ピアノの音,男性の声)を呈示した。無関連スピーチ,すなわち音韻ストアへの妨害によって,背景音なしで記録したMMNに比べて,語音に対するMMNの振幅は減衰したが,純音のMMNは変化しなかった。これらの結果から,言語音に対するMMNの基礎となる神経過程は,言語知覚に密接に関連する音韻ストアにも関与することが示唆された。

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