Abstract

目的 : われわれは日本における唾液腺穿刺吸引細胞診の実施状況を把握するためアンケート調査を実施した. その結果について考察を加えて報告する.方法 : 唾液腺腫瘍病理研究会員の病院を含む計 55 病院に対して 2011 年 3 月に 9 個の質問よりなるアンケートを実施した.結果 : 対象病院のベッド数は 300 床以上が 79%を占めた. 年間唾液腺腫瘍手術件数は 20 件以上が 32%, 49%の施設では 10 件以下であった. 唾液腺腫瘍疑い症例の穿刺吸引細胞診実施状況は “全例実施” が 60%, “症例を選択する” が 23%, “穿刺しない” が 17%みられた. 穿刺回数は 48%が複数回, 41%が 1 回のみであった. また, 84%の施設では穿刺時に細胞検査士がベッドサイドに出向し, 染色法はパパニコロウ染色とギムザ染色の併用を 91%の施設が実施していた. 唾液腺腫瘍の細胞診断については 55%の施設が苦手意識を持っており, “唾液腺細胞診の新報告様式” は 71%の施設で使用されていなかった.結論 : 唾液腺穿刺吸引細胞診は広く実施されているが, さらなる精度向上のためには複数回穿刺の奨励, 唾液腺細胞診講習会などの開催, 唾液腺新報告様式の普及活動が必要と考えられた.

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