Abstract

要旨【目的】ドクターヘリは数多くの患者を搬送し,限られた空間に患者,資機材を載せるため接触感染の可能性が高い環境であるにも関わらず,機内での細菌学的環境調査の報告はない。今回,ドクターヘリ機内で院内感染の主要な原因菌かつ接触感染であるmethicillin–resistant Staphylococcus aureus(MRSA)を対象とした高頻度接触表面の環境調査を行った。【対象】2020年5月から2021年4月の間で,当施設で使用するドクターヘリ機内の高頻度接触箇所を中心に2回に分けて合計86か所の擦過検体を採取し,細菌培養を行った。【結果】ドクターヘリ機内からBacillus属,Arthrobacter属,Flavimonas属,Pantoea属,Pseudomonas属などの環境菌や土壌菌を中心とした菌を検出したがMRSAは検出されなかった。MRSAは医療スタッフの靴底1検体のみから検出した。【結語】現在行っている環境消毒の一定の効果が示唆された。ドクターヘリで搬送した患者の安全確保のためには,病院内と同様に接触感染予防に努める必要があると考えられる。

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