Abstract

大阪堆積盆地における中期更新世の陸域環境変遷を明らかにするために,神戸市東灘1700 mコアを試料としてMa 2層からMa 12層(大阪層群上部~中位段丘構成層相当層)までの花粉化石群集の構成を明らかにした.その結果に基づき,20帯の花粉化石群集帯と5つの花粉超帯を設定した.森林古植生は最下位の花粉超帯が堆積した時代(前期更新世末)には暖温帯落葉広葉樹林であったと推定され,この時代の後になって次第に温帯針葉樹の勢力が増して暖温帯落葉広葉樹林に温帯針葉樹林が加わった森となり,温帯落葉樹林と温帯針葉樹林の交代が繰り返される時代を経て,後背地に温帯針葉樹林を伴う照葉樹林,そして温帯針葉樹林へ移り変わったと考えられる.一方,非海成層堆積期の平野部の古植生は,草本植物花粉やシダ植物・コケ植物胞子などの産出傾向から,氾濫原に広がったかなり広大な原野植生から河畔林や後背湿地の安定した植生へ移り変わったと考えられる.

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