Abstract

ビール大麦の被害粒の一つである凸腹粒における耐性検定法確立のために登熟後期の散水処理の効果について検討した.国内外のビール大麦26品種・系統を用いて, 登熟後期の植物体に1日当たり50mmの水を連続2日間, これを5回実施することで供試品種・系統全てに凸腹粒を発生させることができた.その発生率は, 品種・系統間で異なり, 0.9~16.8%の範囲であった.これらのうち, 過去の自然条件で共通に供試してきた13品種・系統は, 人工降雨処理による発生率と自然条件下で多発生した年の凸腹粒発生率との間に有意な正の相関関係が認められた.また, 出穂・成熟期の早晩と発生の多少との関係を解析したところ, 凸腹粒発生率と出穂期および成熟期との間には, 相関関係は認められず, 熟期が異なる品種・系統を一度に検定できるものと考えられた.以上のことから, ビール大麦の登熟後期における散水処理は, 凸腹粒耐性の評価が可能であり, 凸腹粒耐性系統の選抜に利用できると考えられた.

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