Abstract

サツマイモ栽培上の問題の一つは種イモ貯蔵である.そこで種イモでなく, 真正種子集団由来の苗を利用することを想定し, それに適した栽培用の品種育成の可能性を探った.露地開花性を持つ真正種子集団の集団選抜をいくつかの農業形質について行った.低温発芽性, 苗の太さ, および直根肥大性について選抜したところ, 選抜集団ではこれらの形質の値は原集団より高く, 選抜による効果があることを認めた.真正種子集団由来の苗で栽培すると, 種イモ由来の苗の70~78%程度の塊根収量であった.また特定形質を持つ集団として, 蒸した塊根に甘みのないβ-アミラーゼ欠の集団を育成した.通常の畦立て栽培で, m2当たり144粒の採種ができた.農業形質について改良された真正種子集団は, 海外との遺伝資源交流を含めた育種材料としての利用のみならず, それを多量備蓄することにより救荒作物として利用する上でも有効と考えられる.

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