Abstract

Paraconiothyrium sp. KD-3の培養上清から乳糖酸化酵素を精製し,その性質を調べた.本酵素の分子量は54 kDaで分子内にFADを有していた.また酸素や2,6-ジクロロフェノールインドフェノールを電子受容体に用い,乳糖以外に,セロオリゴ糖,マルトオリゴ糖,D-グルコース,D-ガラクトース,D-キシロース,L-アラビノースなどを酸化し,各々のアルドン酸と過酸化水素を生成した.本酵素は安定性が市販のヘキソースオキシダーゼ剤に比べ高く,物質変換に適していた.通気,撹拌,pH調整しながら2L容リアクター中で反応液500 mLを反応させたところ,10-20%(w/v)の乳糖は完全にラクトビオン酸に変換された.この際,10%炭酸カルシウムスラリー添加によるpH制御が有効で,25% NaOHによる中和では酵素が徐々に失活した.カタラーゼの添加は,過酸化水素の分解による酵素安定化と溶存酸素濃度の上昇に効果的であった.陽イオン交換樹脂を担体に用い,シクロヘキシルカルボジイミド処理した固定化酵素を調製した.この固定化酵素はバッチ反応において18.5%(w/v)の乳糖を完全に変換することができた.D-ガラクトース,D-キシロース,L-アラビノースから,本酵素により対応するアルドン酸を得た.これらは,いずれも高いカルシウム安定性と,カルシウムイオンに対して比較的低い結合力を示した.

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