Abstract
赤米種イネの低温適応性を明らかにするため, その指標となる低温発芽性, 低温クロロシスおよび低温生長性について25品種を用いて検討した. 得られた結果の概要は以下のとおりである. 日本型では赤米種の低温発芽性は白米種より優れていたが, インド型では赤米種と白米種との差は認められなかった(第1図). 低温クロロシスにおいては, 赤米種が白米種より発現しにくいという傾向は認められなかった. しかしながら, 日本型はインド型より明らかに発現しにくいようであった(第2図). 幼苗期における草丈, 根長, 根数および個体重それぞれの低温生長性を求めた結果, 草丈, 根数および個体重では, 赤米種と白米種との差は日本型およびインド型のいずれの生態種においても認められなかった. 根長では, 赤米種が白米種より優れている傾向が両生態種においてみられるが, それは有意でなかった. 一方, 低温による生長抑制は根長や根数より幼苗草丈に顕著に現れた(第1表). 全供試品種をこみにして低温発芽性, 低温クロロシスおよび低温生長性における相互の関係を見ると, 低温発芽性と低温クロロシスとの間には一定の傾向を見い出せなかった(第3図). 低温発芽性は幼苗草丈の低温生長性と有意でかつ正の相関を示したが, 他形質の低温生長性とは有意な相関を示さなかった(第4図). 以上の結果から, 赤米種はそれ固有の高い低温適応性を持たないと考えられる.
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