Abstract

製品 LCA では、製品システムで消費あるいは回収する二次資源の入出力を環境影響評価にて考慮するに際して、異なる複数の手法があり、画一的な手法はいまだ確立されていない。実際には、製品で用いる材料が異なればリサイクル性が異なり、製品の設計が異なれば使用済み製品に含まれる材料の回収性が異なる。二次資源の入出力による環境負荷の計算方法が異なれば、ライフサイクルを通して環境負荷の少ない材料の選択や、環境負荷の少ない製品設計の開発に対して、異なった結論を与えることが危惧される。そこで、本稿では、consequentialアプローチに則って、製品ライフサイクルにおける二次資源の消費ならびに回収にかかる環境負荷の追加や回避に関する考え方を示し、それに基づく評価式について概説した。続いて、欧州委員会が公表している製品環境フットプリントカテゴリールールガイダンスに CFF としてとりまとめられた評価式と比較した。その結果、CFF では、リサイクルにより回避される廃棄段階の負荷が適切に評価されていないことが明らかとなった。これは、CFF が実質的に負担の要素を積み上げているためと考えられた。本稿では、理論式と実務的な積み上げに基づく計算式の違いについても理論的に説明した。

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