Abstract

成木茶園において夏, 秋季の断根処理が翌年以降の二, 三番茶の新芽生育, 収量に及ぼす影響を検討した. 断根処理を行わなかった対照区では, ニ番茶, 三番茶とも芽数および芽重の年次変動は比較的小さく, 収量も安定していた. 慣行的な処理の組み合わせである8月下旬I区では, ニ番茶, 三番茶とも収量の年次変動は小さく, 対照区と大差ない収量を維持した. 9月下旬I区での二番茶は1年目に約10%減少したが, 2年目以降は芽重の減少を伴うことなく芽数が増加し, 増収傾向を示した. 断根と同時に葉層を除去した8月下旬II区, 9月下旬II区の場合には二番茶, 三番茶とも1年目に大きく減収し, 2年目以降徐々に回復したが, 4年目まで対照区を下回った. 以上の結果から, 成木茶樹における断根処理が二番茶, 三番茶の生育, 収量に及ぼす影響は一番茶に比べて弱いといえる. しかし, 断根処理の方法によっては二番茶あるいは三番茶の生育, 収量まで影響が及ぶことから, 夏茶期に対しても樹勢更新処理としての断根処理の有効性と適切な処理の必要性が立証された.

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