Abstract

LARsyndrome(LARS)は,低位直腸癌の肛門温存手術後に高率に生じる機能障害である.その発症機序は単一ではなく,また増悪因子については,吻合部が肛門に近いもの,術前放射線治療,術後縫合不全などがあげられる.ISRは手術操作が肛門管におよび,術後肛門括約筋機能に影響が及ぶのは手技上避けられない.マノメトリーでも機能的肛門管長は有意に短縮し肛門管静止内圧も低下している.手術手技による直接的な影響として筋肉の損傷とともに支配神経への障害が起こりうることが肛門括約筋機能低下の成因として考えられる.直腸をほぼすべて切除するISRやvLAR,あるいはLARにおいても残存直腸が短ければ,代用として用いるS状結腸や下行結腸などのneorectumの機能が排便状態に強く影響すると考えられる.本稿では,これらISR術後にみられる障害を正常の排便における骨盤底筋肉の運動と直腸機能の観点から考察した.

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