Abstract

要旨アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬およびアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は血管性浮腫の原因となる薬剤である。DPP4阻害薬は単独では血管性浮腫を来しにくいが,ACE阻害薬と併用すると血管性浮腫を増悪させるとの報告がある。今回我々は,ARBとDPP4阻害薬併用により血管性浮腫が薬剤中止後も約3か月持続した症例を経験したため報告する。症例は65歳の男性。3年前からアジルサルタン,リナグリプチンを内服していた。舌の腫脹を主訴に来院した。薬剤中止により症状は改善したが,中止後98日目までに6回の再発を繰り返した。ACE阻害薬による血管性浮腫は原因薬剤を中止しても約半数で再発し,うち大多数は中止後1か月の間に初回の再発を経験し,薬剤変更後3か月を経過すると再発は稀とされる。今回報告する症例から,ARBとDPP4阻害薬の併用例においても同様に薬剤中止後も3か月程度再発する可能性があり,注意を要する。

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