Abstract

Reactive lymphoid hyperplasia(RLH)は,組織学的に胚中心を伴うリンパ濾胞の反応性過形成を示し,個々のリンパ球の異型が少なくpolyclonalな増殖を認めるものと定義される。今回我々は,IgG4陽性形質細胞の集簇を認めた鼻腔底RLHの一例を経験した。症例は69歳女性。主訴は左鼻腔腫瘤,右難聴。右難聴で近医受診した際に,左鼻腔底前方に隆起性病変を認めた。唾液腺腫脹や鼻症状は認めなかった。IgG4値は45.5mg/dlと正常範囲内であった。2度の生検を施行し悪性リンパ腫の可能性も否定できず,摘出術を施行した。病理組織所見は,HE染色では,粘膜上皮下に著明なリンパ球・形質細胞の浸潤を認め,リンパ濾胞の過形成を伴っていた。免疫染色では,濾胞間に多数のIgG4陽性形質細胞を認め,400倍1視野あたり100個を超え,IgG4/IgG陽性細胞比は40%を超えていた。しかし,線維化の所見や高IgG4血症を認めず,包括診断基準に照らしIgG4関連疾患には合致しなかった。摘出後,約1年を経過するが,再発所見を認めていない。今後,病変の再発や悪性転化する可能性も考えられることから,治療後も厳重な経過観察を行う必要があると考えられる。

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