Abstract

2020年に石川県の2農場で下痢症を呈した子牛が相次いで死亡した.種々の検査及び病理解析の結果,クリプトスポリジウムによる感染が原因である可能性が考えられた.18S rRNA及びActin遺伝子領域を標的としたPCR及びMultiplex-PCRを実施したところ,Cryptosporidium parvum の2つの遺伝子亜型による混合感染であることが分かった.これら2種の遺伝子亜型による混合感染は国内初めての報告である.同農場で飼育されていた他個体の調査では,感染は子牛に限られ,さらにC. bovis 及びC. ryanae が検出された.飼育環境の調査では子牛を飼育していた床の敷料のみから本原虫が検出され,汚染エリアを熱湯及び石灰乳の塗布により対策を実施したが,短期的には下痢を発症する頭数が減少し効果がみられたものの,清浄化には至らなかった.

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