Abstract

視床下部神経ヒスタミンはヒスチジン脱炭酸酵素によって必須アミノ酸l-histidineから生合成され,食行動・エネルギー代謝調節などの生理機能を広く制御し,他のアミン神経系同様に重要な役割を担う.近年,この視床下部神経ヒスタミンは5つの神経亜核(腹側亜核群としてE1,E2およびE3,背側亜核群としてE4およびE5)から構成されることが明らかとなった.E1とE2はおもに概日周期の情報処理に,E3はおもに空腹時の拮抗性食行動情報処理に,E4とE5はおもにストレス情報処理に,それぞれ関連した生理機能制御に寄与すると考えられる.しかし,これらの神経亜核群の生理機能について不明な点が多く残されており,今後の視床下部神経ヒスタミン研究と同分野の創薬に飛躍的な発展が期待される.

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