Abstract

キャピラリー電気泳動(CE)やマイクロチップ電気泳動(MCE)の濃度検出下限(LOD)は試料負荷に対する構造上の制約から他の分離分析法と比べてかなり高い.この欠点はレーザー励起蛍光検出のような高感度検出器や適切なオンライン前濃縮法の適用により改善できるが,後者は紫外線検出器のみを備えた通常のCE装置においても有用であるため,各種のオンライン前濃縮法が考案されている.本論文では過渡的等速電気泳動(tIPT)及び試料の電気的導入を併用するtIPT(electrokinetic supercharging)に重点を置き,CE及びMCEのLOD向上の戦略を解説し,数種のカチオン,海水中のアニオン及びDNA断片やSDSタンパク質への応用例を示した.最適化された条件ではCEのLODはサブppbレベルに達し,これは金属カチオンやアニオンについてイオンクロマトグラフィーや誘導結合プラズマ原子発光分析法に比肩する濃度感度である.MCEではDNA断片について0.02 μg/ml,SDSタンパク質について0.3 μg/mlと通常法に比べ10~40倍良好な結果を得た.

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