Abstract

症例は71歳,女性.便失禁を主訴に近医を受診し,直腸に腫瘤性病変を認め当科紹介となった.直腸診にて下部直腸に腫瘤を触知し,下部消化管内視鏡にて同部位に粘膜下腫瘍を認めた.腹部造影CT検査にて直腸に22mm大の結節様所見を認め,FDG-PETにて集積亢進を認めた.悪性疾患の可能性を否定できず,腹腔鏡下直腸低位前方切除術を施行した.病理組織学的には内部に膠原線維を伴う境界明瞭な充実性腫瘍であった.免疫組織化学染色ではS100蛋白陽性,αSMA・desmin・CD34・c-Kit陰性であり,神経鞘腫と診断された.神経鞘腫はSchwann細胞に由来する腫瘍で,消化管に発生することは稀である.通常の神経鞘腫は良性であるが,術前診断は困難である.さらにFDG-PETで集積亢進を呈することもあり,悪性疾患との鑑別が問題となるため治療の適応について慎重に判断する必要がある.

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