Abstract

本研究の目的は,クリティカルケア領域において代理意思決定を行った患者家族の体験を明らかにすることである.緊急入院した患者の処置や治療について代理意思決定をし,患者の回復過程を見守る家族5名に対して半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析した.その結果,代理意思決定を行った家族の体験として5つのコアカテゴリーが抽出された.家族は,【生と死紙一重の戸惑い】の中で【選択の余地のない意思決定】を行い,患者が生命危機を脱し回復過程を辿る経過にて【予見できない患者との生活像】という体験へと移行していた.さらに【窮地で差し伸べられた周囲からの支援】と【ニーズが満たされないもどかしさ】という相反する体験をしながら,【選択の余地のない意思決定】を中心とした代理意思決定を体験していた.患者の回復過程を見守る家族が救命後に直面する現実は,新たな困難を生じさせる可能性もあり,支援の必要性が示唆された.

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