Abstract

mTOR阻害薬のeverolimusは,結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫や上衣下巨細胞性星細胞腫に対する有効性が報告されているが,心臓横紋筋腫に対する報告は稀である.症例は生後10か月の男児.胎児期から両側側脳室上衣下結節と多発性心臓腫瘍を指摘され結節性硬化症(TS)と診断された.出生後,小さな心臓腫瘍は自然退縮したが,右室中隔,左室自由壁,左室心尖部の大きな腫瘍は残存した.流入路,流出路狭窄はなかった.生後3か月から難治性痙攣が出現し,頭部MRIで上衣下巨細胞性星細胞腫を認めたため,生後10か月から同腫瘍に対してeverolimusを開始した(3.0 mg/m2/日).その結果,上衣下巨細胞性星細胞腫は縮小し,痙攣も抑制できた.心臓腫瘍は,everolimus投与後1か月で左室自由壁の腫瘍が消失し,投与後7か月で左室心尖部の腫瘍も消失した.残存した右室中隔の腫瘍もeverolimus投与前は最大23.4×16.7 mmあったものが,投与後1か月で16.1×4.3 mmまで急速に縮小した.Everolimusは,TSに合併した心臓横紋筋腫を急速に退縮させる可能性がある.

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