Abstract

交換性カリウム濃度がイネの放射性セシウム吸収に影響を与えない程度に高い条件では、玄米の放射性セシウム濃度は,土壌中の溶存態放射性セシウム量から精度よく予測できる。しかし,溶存態放射性セシウム量の実測には,大量の土壌溶液採取やろ過・濃縮等の多大な労力が必要である。そこで,亜鉛置換型プルシアンブルーを担持した吸着シートで土壌中の溶存態放射性セシウムを吸着し,シートに吸着した溶存態放射性セシウム量から玄米放射性セシウム濃度を簡易に予測することが可能か否かを検討した。表面をメンブランフィルターで被覆することにより土壌粒子の付着を防ぐ加工をしたセシウム吸着ディスクを現地水田の作土に2週間埋設し,溶存態放射性セシウムを回収した。吸着シートに回収された放射性セシウム量は,玄米放射性セシウム濃度と高い正の相関があった。分げつ期に吸着シートを埋設し,回収された放射性セシウム濃度を分析することで,大量の土壌溶液の採取や土壌理化学性の分析を必要とせず,玄米中放射性セシウム濃度を予測出来る可能性が示された。

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