Abstract

放射性炭素(14C)の土壌-水稲間移行係数(TF)を得るために,炭素安定同位体のTFを,日本全国から採取したコメと,同時にサンプリングした土壌試料中の安定同位体比(12Cと13C)及び全炭素量を測定することで推定した。炭素の同位体比については,δ13C値で示した。まず玄米,白米及び糠についてδ13C値を比較した。結果,白米は光合成産物をそのまま蓄積していることから,本研究目的に適していることがわかった。白米と土壌のδ13C値には相関係数は低いが相関があったことから,土壌中の炭素が水稲に利用された可能性が示唆された。そこで,統計的なアプローチにより,土壌起源の炭素の水稲中割合を求めてみた。その結果,水稲の光合成による13Cフラクショネーションを-19‰,大気中δ13C値を-8‰という,最も実際に適した値に設定したときに,水稲中炭素は最大で1.6%が土壌起源となることがわかった。この結果と全炭素濃度の結果から,安定炭素の移行係数として0.05~0.5が得られ,14Cの植物によるフラクショネーションが無視できることから,この値をそのまま14Cの移行係数として用いることができると考えられた。

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