Abstract

2種類の薬物の効力を比較する場合,平行線検定を用いて効力比を求めることがよく行われている.薬物間の効力比をその信頼区間とともに求めれば,その効果の違いを具体的な数値パラメータとして扱える上に,効力比の信頼区間が1を含まないならば,効果の有意な違いを統計学的に示すことができる.また,適当な同等性マージンを設定すれば2種の薬物の効力の同等性を示すこともできる.従来,平行線検定は直線をあてはめるものが主流であったが,近年ではシグモイド曲線を用いた非線形回帰分析での平行線検定が可能な統計解析ソフトウエアが利用可能で,シグモイド曲線にしたがうことが多い薬理学での利便性が高まった.一方,本手法の前提となる2つの用量反応直(曲)線の平行性に関しては,2つの直線の傾きの違いをみるF検定で有意差が無いことで検討してきたが,米国薬局方の生物学的アッセイ法の新しいガイドラインではそれに代わって,傾きの差や比の信頼区間を用いる方法が提唱されている.本稿ではこれらの新しい流れを紹介し,実地で活用する際の注意点に関して考察する.

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