Abstract

典型発達児と発達性読み書き障害 (DD) 児における漢字書字の特徴の相違を明らかにするため, 「小学生の読み書きスクリーニング検査 (STRAW) 」を用いて, 通常学級在籍の典型発達児708名とDD児21名の漢字単語書取の反応を比較, 検討した. DD児21名全員に音韻情報処理過程と視覚情報処理過程双方の障害を認めた. 漢字書字においてDD群は典型発達群に比べ無反応が多く, また形態的に似ていない非実在文字を書く傾向があった. さらに漢字の構成要素間の間隔が広いという特徴や, 文字が傾く特徴が認められた. DD群の漢字書字には視覚的な情報処理機能の低下が影響している可能性が示唆された. 典型発達群では正答率と音声提示による親密度との間に有意に高い相関を認めた一方, DD群では正答率と音声提示による単語心像性および画数との間に有意に高い相関を認めた. これらの知見は, DD児の漢字書字指導において考慮されるべきであると考えられた.

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