Abstract

要旨【目的】ショックインデックス(shock index: SI)は救急患者の在院死亡の予測や入院予測に有用とされている。本邦においては救急車で来院した患者の在院死亡の予測や入院予測に来院時SIが有用であるか否かの報告はなく,これを検討した。【対象】2018年4月から2019年3月までに福岡徳洲会病院を救急車で受診した18歳以上の患者。主要評価項目を在院死亡,副次評価項目を入院の有無とした。心拍数または収縮期血圧に欠損が含まれる症例,明らかにバイタルサインの入力間違いと推察される症例は除外した。【結果】7,739名が解析対象となった。在院死亡は255名(3.3%),入院は2,679名(34.6%)であった。SI 1.1を超える患者は237名(3.1%)であった。SI 1.1を閾値としたときに在院死亡の陽性尤度比は6.88,入院の陽性尤度比は4.08であった。主病名が不整脈であった103名を除外したところ,SI 1.0以上の各閾値における入院の陽性尤度比はすべて5を超えていた。【結語】救急搬入患者の在院死亡の予測や入院予測において来院時SIが臨床的に有用であることが示唆された。SI>1.1は在院死亡の尤度上昇と関連しており,この閾値に該当する患者ではトリアージレベルを上げて対応することが望まれる。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call