Abstract

臭化リチウム/水系吸収式ヒートポンプの性能向上を目指して,吸収液に吸着剤微粒子を分散させ過飽和状態にすることで,臭化リチウム微細結晶をスラリー化させる方式を提案した.結晶スラリーの物性と伝熱特性を確認するため,まず結晶粒度分布と粘度の計測および液膜伝熱試験を行った.次いで吸収器および再生器内で伝熱面上をスラリーが液膜流下する場合を想定して,熱・物質同時移動解析を行い,ヒートポンプ性能に与える微細結晶の効果を検討した.LiBr濃度63.4%,吸着剤分散濃度5.56%,温度25°Cの結晶スラリーの粒度分布は10–200 µm,メジアン径は57.0 µmであった.また,同条件の結晶スラリーの温度20°Cのときの粘度は1.67×10-2 Pa·sであり,温度変化させて結晶量が増加すると,粘度が増大するものの十分な流動性が認められた.伝熱平面を流量3.6–49.0 ml/sで流下する吸収液膜と熱媒体間の総括熱伝達係数は106.5–892.9 W/(m2·K)であった.吸収液中に分散させた吸着剤が伝熱に与える影響は小さく,吸収液流量の増加に伴い総括熱伝達係数は増加した.熱・物質同時移動解析では,吸収器内伝熱面積1 m2のとき,水蒸気吸収量は吸収液単独と比較して,過飽和結晶スラリーの結晶溶解効果により100%増加することを明らかにした.

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