Abstract

ガドリニウム(III)をドープした硝酸複塩Ln2Mg3(NO3)12・24H2O(ただし,Ln(III)≡Ce(III), Pr(III),Nd(III),Sm(III)およびEu(III))につき同形の単結晶を作成し,室温においてESR(電子スピン共鳴)スペクトルをXバンドで測定した。その結果,Gd(III)[4f7,8S7/2]のΔM=±1の遷移に対応する7本の微細構造が観測された。ESRスペクトルの角度変化を測定した結果,それらのスペクトルは各ホスト格子に対して類似した角度依存性を示した。スペクトルの解析にはC3kの有効スピソバミルトニアンを用いそのパラメーターを算定した。ゼロ磁場分裂パラメーターの中で寄与のもっとも大きいb の大きさとランタノイド収縮の因子である,(1)ホストランタノイド(III)のイオン半径,および,(2)ホストランタノイド(III)の<r2>との間には近似的に直線関係がなり立つことを見いだした。さらにまた,ゼロ磁場分裂エネルギー準位もb と同質の情報を与えるものと考えられた。スペクトル線位置の実測値と算定したパラメーターによる計算値はよい一致を示した。

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