Abstract

2007年から当科では遊離空腸再建手術を行った頭頸部癌症例で,遊離空腸採取後に腸瘻を形成し,術翌日より開始する経腸栄養管理を行った。2009年までに15例でこの栄養管理を施行した。術直後中心静脈栄養管理を行った対照症例15例と比較し,腸瘻からの経腸栄養管理の効果について検討した。経腸栄養群の血清アルブミン値の術後回復率の平均値は,術後7,15,30病日いずれも対照群より高かった。また,術後2週間のアルブミン製剤投与量は腸瘻経腸栄養群で有意に少なかった。術後の総リンパ球数は,術前に比較しすべての術後病日においても有意な低下を示した。しかし術後7病日で腸瘻経腸栄養群の低下が対照群に比較して有意に抑えられていた。術後合併症は対照群に比較し,腸瘻経腸栄養群で低い傾向にあった。特に創部感染や消化管合併症が1例も見られなかった。術後感染の指標とした抗生剤使用期間や下熱に要した時間は,腸瘻群で有意に短縮していた。

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