Abstract
本研究では,小学生を対象に,自殺予防の保護因子としての援助要請に焦点をあて,それらに関わる態度やスキルの向上をねらいとする心理教育プログラム(SOS の出し方・受け止め方に関する教育)の効果を検討し,今後の自殺予防教育への示唆を得ることを目的とした。計2回の授業から構成されるプログラムを学級単位で実施し,友人・教師に対する被援助志向性,援助要請スキル,友人に対する援助スキルを測定する尺度を用いた自記式質問紙により効果検討を行った。対象となった小学5, 6年生111名のデータを用いて解析を行った結果,援助要請スキルや友人に対する援助スキルなどにおいてプログラムの肯定的な効果が示された一方,友人に対する被援助志向性の一部の下位尺度では男子児童と女子児童で効果の及び方に違いが生じていた。また,プログラムの実施前後における援助・被援助のスキル(援助要請スキルと友人に対する援助スキル)と友人・教師に対する被援助志向性の変化の関連について,部分的に有意な結果が示され,これらの関連は特に女子児童において特徴的であった可能性が推察された。以上の結果を踏まえて,今後の小学生を対象とした自殺予防教育に関する実践および研究の発展可能性について考察した。
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