Abstract

これまで提案されてきた内部熱交換型蒸留塔(HIDiC)は,二重管を単位モジュールとする構造やプレートフィン型熱交換器を用いるもので,従来の蒸留塔よりも構造が複雑になり,またサイドカットによる製品取り出しが困難など,プロセススキームを制約する問題を有している.本研究では,よりシンプルなHIDiCの構造開発の基盤研究として,内部熱交換量分布と省エネルギー特性の関係をシミュレーションにより検討した.これまで提案されているHIDiCでは,塔内各部の伝熱面積は装置構造によりあらかじめ与えられることから,塔内各部の内部熱交換量は濃縮部と回収部の温度差により定まり,意図的にこれを与えることができない.内部熱交換がリボイラー負荷低減に及ぼす効果は,熱交換を行う箇所に大きく依存する.まず,段数一定のもとではCGCC解析を用いてHIDiCを解析することが不適切であることを指摘し,そのうえで濃縮部と回収部各1段のみの熱交換を考え,熱交換段の組合せがリボイラー負荷削減に与える影響を求めた.その結果,塔段数と圧縮機動力を固定した条件下では,リボイラー負荷の削減量を最大とする熱交換段の組み合わせが存在することを明らかにした.この結果を踏まえ,総伝熱面積一定の制約下で,複数の段への最適な伝熱面積の配分(内部熱交換量の配分)を求めた.そして,一つの段間の熱交換の結果から求められる「省エネルギー性指標」をもとに内部熱交換量を配分することにより,リボイラー負荷を大きく削減できること,および一部の段間のみで選択的に熱交換することで,大きなリボイラー負荷の削減が可能であることを明らかにした.さらに,「省エネルギー性指標」をもとに定めた内部熱交換量配分が,最適化手法により数理的に算出した最適な内部熱交換量配分にほぼ一致することを示した.

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