Abstract
自然光型人工気象室において, 昼夜の気温を30℃-24℃, 25℃-19℃と19℃-15℃に (実験1) , また, 25℃-15℃, 23℃-17℃と20℃-20℃に (実験2) 設定し, 普通ソバの生長と発育に及ぼす影響を検討した. 比較的高温の25℃-19℃下では低温の19℃-15℃下より常に主茎が長く, 伸長速度が速かった. さらに高温の30℃-24℃下では, 生長初期こそ主茎が長かったが, 伸長速度が遅く, 伸長期間が短かったために最終長が最も短くなった. そして, 茎が細かったためほとんどの個体が倒伏した. 主茎最下部の胚軸は第1～3節間より細く, 気温が高くなるとさらに細くなるのに加えて長くなり, 直立を保つには不安定な姿になった. 日平均気温が同じで昼夜気温が異なる条件での比較から, 本実験の温度範囲では昼夜温度差が小さくなると主茎の伸長が抑制されることが示された. 器官分化に関係する発育は昼夜温度にかかわらず日平均気温に影響された. 日平均気温が高くなると開花始は早くなるが, 初花節位は高くなり, また, 主茎葉数, 主茎節数および主茎花房数は多くなった. 花房の開花速度に対する気温の影響はわずかであった.
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