Abstract

背景.喀痰細胞診は肺癌検診において,肺門部早期肺癌の発見のための唯一のスクリーニング法であるが,さまざまな問題点も存在している.このため3学会(日本肺癌学会,日本臨床細胞学会,日本呼吸器内視鏡学会)合同委員会において検討を重ね,アンケートを行った.目的.全国の肺門部(早期)肺癌の確定診断の実態を明らかにする.対象と方法.日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡認定施設・関連認定施設にアンケートを送付し,2006年,2007年の気管支鏡検査件数,肺癌切除例数,新規肺門部早期癌診断例数,その発見動機,組織型,治療法を,さらに可能な範囲で肺門部進行扁平上皮癌数,喀痰細胞診陽性・疑陽性による検査件数,喀痰細胞診による末梢型肺癌例数などに関して回答を求めた.結果.504施設にアンケートを送付し308施設より回答を得た.これらの施設は日本胸部外科学会全国集計の57.1%をカバーしていた.年間150例程度の肺門部早期肺癌が報告された.報告数とカバー率から肺門部早期肺癌の全国における初回診断数は年間154~270例程度と推定され,肺門部の扁平上皮癌に関しては全国で年間約4,000例の存在が推定された.しかし,早期癌の比率は肺門部扁平上皮癌全体の10%を下回っていた.さらに,その発見率には地域差が見られた.考察および結論.肺門部肺癌に関しては,現在診断されているよりも,さらに多くの症例で早期診断の機会があったと推測され,肺癌検診のさらなる精度管理や喀痰細胞診の受診勧奨など,検討すべき事項が存在するものと推定された.

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