Abstract
農畜産物の偽装表示が問題視される中, ブタやコメなどにおいてはDNA識別技術による品種判別法が確立されている。本研究では, 静岡県の大ヨークシャー種系統豚「フジヨーク」を母系に利用した三元交雑豚である「静岡型銘柄豚」の識別法の開発を目指し, フジヨークの母系解析を実施した。現在, 当試験場で飼養しているフジヨークおよび他県 (岐阜県, 徳島県, 富山県) で造成された3系統を含む大ヨークシャー種系統豚についてミトコンドリアDNA・非コード領域 (約710bp) の塩基配列を決定し, 多型を調べた。26ケ所の塩基置換部位が存在し, ハプロタイプとしては10タイプに分けられた。そのうちフジヨークの中の2タイプ (Ide5, Ide8) で, 特異的な塩基置換部位が存在した。この部位を検出するためプライマーを設計しPCR-RFLP法により解析した結果, この2つのハプロタイプとその他8つのハプロタイプとの判別が可能であった。またこれら2つのタイプの塩基置換が, 食肉市場のブタにどの程度の頻度で存在するかを調べるため, 静岡県の食肉センターでと畜されたブタ198頭について調査を行ったところ, Ide5と同じものは0%, Ide8と同じものは1.5%と, 静岡県内の市場では稀なタイプであることが確認された。以上のことから本法は静岡型銘柄豚の識別法として有効な手段となりうることが示唆された。
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