Abstract

健康・寿命が社会の総合力の指標であることより、その社会に内在するdiversity(本稿ではdiversityを単に多様性という意味で用いた)は常に健康づくり・寿命延伸対策のキーワードであり、ある時は大きな壁となり、またある時は重要な戦術のヒントを与えてくれる。筆者らは日本の最短命県青森で短命県返上に向けての社会イノベーション創出を目指している。具体的には、超多項目データを収集している岩木健康増進プロジェクト(2005年から18年間継続)を軸に一大データプラットフォームを構成し、目指す方向性の異なる産官学民を結集させ、社会イノベーションにつなげようという構想である。収集したデータは原則オープンにされ、それにより、さらに多種多様な産官学民を呼び込み、さらに大きなデータプラットフォームと、並走する新たなプラットフォーム(ソーシャル・キャピタルのプラットフォーム)が確立されつつある。本稿ではdiversityに対応した社会イノベーション創出の事例として筆者らの活動を紹介したい。

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