Abstract

穂上位置による無機元素含有量の違いを, 試料として日本晴1株中の4つの穂に着粒していた玄米296粒を用いて検討した.乾重量を測定した玄米は, 硝酸-過塩素酸で湿式分解し, リン, カリウム, マグネシウム, カルシウム, 亜鉛の無機元素を誘導結合プラズマ発光分析法で測定した.無機元素は, 濃度(%またはμg/g)と1粒中の全量(μg/粒)を算出した.これら無機元素含有量は, Kruskal-Wallisの検定により穂による差が認められたので, 穂ごとに玄米を各枝梗の着粒位置から9種類に分類し, 穂上位置の差をKruskal-Wallisの検定で検討した.その結果, 4つの穂すべてで, 乾重量のほか, 濃度ではカリウムに, 1粒中の全量では, リンとマグネシウムに穂上位置による差が認められた.カリウム濃度は開花順序が遅くなるにしたがって高くなっており, 1粒中リン量とマグネシウム量は, 1次枝梗に着生した乾重量の大きな玄米では多く, 2次枝梗に着生した玄米では少なかった.

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