Abstract

圃場およびポットで生育した水稲穂数型品種日本晴を用いて, 株を構成する各茎に着生する同一葉位の葉身の光合成速度の相違を主茎と分げつ茎の同伸葉の間で比較した. 展開完了直後では, 移植時に発生した5号分げつ茎を除いて, 主茎の葉身と各1次分げつ茎の主茎と同伸葉の葉身との光合成速度の間にほとんど相違は認められなかった. 葉身の老化がすすむと, 主茎の葉身の光合成速度に比べて, その葉身と同伸葉の1次分げつ茎の葉身の光合成速度は小さく, その程度は上位の分げつ茎ほど著しかった. 主茎に比べて分げつ茎の葉身の光合成速度が小さくなったことには, 拡散伝導度, クロロフィル含量およびRuBPCase 含量の低下が関係していた. これらの結果から, 展開完了後の老化に伴う光合成速度の低下程度は主茎に比べて分げつ茎の葉身で大きく, このことが圃場条件下で同一葉位の葉身の光合成速度に違いをもたらす要因の1つであることがわかった. 分げつ性の異なる品種の間で光合成速度の相違を検討した結果, 長稈穂重型の台農67号は日本晴に比べて, 老化に伴う主茎の葉身の光合成速度に対する各1次分げつ茎の主茎と同伸葉の葉身の光合成速度の低下程度は小さく, 茎間の光合成速度の相違の小さいことが明らかとなった.

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