Abstract

天然水中のリンはオルトリン酸塩,ポリリン酸塩,有機リン酸塩など,種々の形での存在が考えられる.これら各種リン化合物を分解せずに,そのままモリブデン酸形陰イオン交換樹脂(Mo形樹脂)に捕集し,その樹脂を含む懸濁液中のリンを,黒鉛炉AASで定量する方法を検討した.その結果100~1000mlの試料水中のKH2PO4,H3PO3,Na5P3O10,アデノシン5'-リン酸塩を100mgのMo形樹脂に濃縮し定量できた.共存イオンの影響を検討したところ,Al(III),Si(IV)が一部リン化合物の濃縮,定量を妨害した.Al(III)をマスキングするためF-を10μg/ml加え,Si(IV)の妨害はMo形樹脂を150mgとしたところ妨害が除去された.この方法を懸濁物質を除いた実際試料に適用したところ,公定法による全リンの分析結果とよく一致した.

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