Abstract

溶媒抽出-誘導結合プラズマ(ICP)発光分析によるアパタイト鉱物中のサマリウムの定量法についての基礎的検討を行った.硝酸溶解したアパタイト試料にはリン酸カルシウムがマトリックス成分として存在し,これがサマリウムの発光強度測定に対して分光干渉と減感干渉を同時に示した.これらの干渉除去に対し溶媒抽出法を用いるために,シクロアルカンやアルカン系など有機溶媒種のICPへの適応性を調べた.その結果,これらの溶媒系では炭素数の多いものほどICPは安定となり,石英トーチへの炭素の付着も生じにくいことが認められた.又ジ-2-エチルヘキシルリン酸をサマリウムの抽出剤に用いたとき,各種有機溶媒間ではサマリウムの発光強度にかなりの差が認められたが,これは主として溶媒の粘性に基づくものであることが判明した.天然アパタイト中のサマリウムを測定するときシクロオクタンが各種有機溶媒の中で最高の検出限界(S/N=3)0.3μg/mlを示したので,これを抽出溶媒に用いて定量した.

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