Abstract

青森県白神山地の西部に分布する白神岳複合花崗岩質岩体には,海岸線に沿って,350m程度の幅を持ち南北約2.5kmにわたる延性剪断帯が発達しており,これを入良川マイロナイト帯と呼称する.中心部の幅200m程度の範囲はウルトラマイロナイト化しており,局所的にカタクレーサイト化を重複して受けている.マイロナイトの面構造は南北走向で東に40-80°傾斜し,線構造は北東方向に30-70°の沈下を示す.また,左横ずれ正断層の剪断センスを示す.再結晶石英の結晶方位と粒径を解析した結果,マイロナイト帯中心部では粒界すべりによる変形を,中心部以外では転位クリープによる変形を受けたと推定でき,変形時の環境は温度350-450°Cと推定される.その後,岩体が上昇し,300°C以下の環境で部分的に脆性破砕したという変形史が推定できる.

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