Abstract

1964-1980にハンセン病新患発生の疫学的調査を行った硲省吾の調査資料を集計して報告した。この間の新患発生数は1964-1973の本土で606名、1974-1980は本土143名、沖縄327名であった。これらの年度毎の発生数、男女の発生率、年齢分布、出身地、家族歴、病型分類、初発症状、診断時の身体障害の集計結果とその問題点を述べた。一部は1981-1992の新患調査(本土116名、沖縄214名)も含めて解析した。新患発生の減少に伴って男女比はほぼ同数になり、若年層から発生が減少、消失していく傾向が見られ、年齢分布のピークは若年層から中高年層へと移行していた。東南アジアおよび南米からの移住者に患者発生が持続していた。病型はL/LL型とT/TT型が多いがB群の診断例が増えていき、本土と沖縄では病型分布に差異が見られた。調査表の解析から、早期発見、病型診定、診断時の身体障害、臨床記録などについて20世紀後半のハンセン病医療の問題点が示唆された。

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