Abstract

宮崎市の山城史跡穆佐城跡は国指定史跡であり, 現在その有効な管理方策の立案が望まれている.山城史跡の整備・保全においては, 史跡としての価値そのものである山体形状の保全, および史跡の公開・教育的利用を目的とした植生管理が必要とされる。そこで保全および利用の2軸から穆佐城跡の立地評価を行い, これに基づき管理方針設定モデルを作成し, その有効性を検討した.立地評価に用いる2軸は, 穆佐城跡を構成する複数の因子を階層的なスコアリングにより統合的に評価して作成した.その際史跡保全上改変出来ない地形要因および史跡そのものの展示利用価値に重みをおいた.立地区分の結果, 穆佐城跡の地形的な特徴および史跡としての特徴を反映して各区分が分布した.このように改変不可な要因に重みをおいた階層的なスコアリングにより, 史跡としての価値が高い部分を重視したゾーニング案が提示できた.また2軸直交座標系で評価したことにより, 管理の方向性と集約度を同時に提示することが可能であった.このモデルの妥当性および意思決定支援上の適用性を検討するため, 区分の閾値を変えた複数の代替案作成による感受性分析を行った結果, 閾値を変えても管理目的が変化しない場所や, 逆に閾値設定によって結果が大きく変動する地点が抽出された.このような分析により, 不変的に管理目的を設定できる場所や, 一定の制約を持たせるべき場所, さらに重点的に管理目的の是非を検討すべき場所など, 意思決定上の優先順位に関する有効な支援情報を提示することが可能であった.

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