Abstract

葉耳間長-4から+8cmまでの穂の発育段階の異なったものを日温15℃夜温10℃の冷温で10日間処理し,その種子稔性に及ぼす影響を調べるとともに,穂の内生ジベレリン含量を調査した.冷温に遭遇させる時期が早いほど種子稔性は低下したが,品種間でその程度に差異が認められ,ササニシキの方が稔性低下が著しかった.冷温処理しないものに比較すると,冷温処理によって穂の内生ジベレリン含量は両品種ともに著しく低下したが,冷温処理下でのジベレリンの減少程度はササニシキでむしろ少なく,冷温処理しないものとの比較ではササニシキの方がジベレリンの残存する比率は大きかった.ササニシキにジベレリン生合成阻害剤のS-327Dを処理してから冷温処理を5日間処理したものでは,薬剤処理によって内生ジベレリン含量が低下すると同時に,特に葉耳間長がO~4cmの発育段階での冷温処理に対して,ジベレリン生合成阻害剤処理による種子稔性の向上が認められた.これらのことから,減数分裂期の冷温処理による種子稔性の低下には内生ジベレリンのレベルが関与している可能性が示唆される.

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