Abstract

植物病原菌のシアン耐性呼吸の有無を調べる目的で, シアン耐性呼吸の阻害剤であるサリチルヒドロキサム酸 (SHAM) と呼吸鎖シトクローム電子伝達系の阻害剤であるメトキシアクリレート系化合物やアンチマイシンAとの抗菌連合作用を調べた. Botrytis cinerea, Monilinia fructicola および Pyricularia oryzae において顕著な抗菌協力作用が認められた. このことから, シトクローム系阻害剤によるシアン耐性呼吸の誘導とSHAMによるその阻害が考えられた. それを確かめる目的で, シトクローム系阻害剤で処理したこれら3病原菌の菌糸体の酸素消費と, その酸素消費に及ぼすシアン耐性呼吸阻害剤の影響を調べた. その結果, これら3病原菌におけるシアン耐性呼吸の誘導が確認された. 抗菌協力作用は, Cochliobolus miyabeanus においても小さいながら認められ, シアン耐性呼吸の存在が示唆された. Rhizoctonia solani では, メトキシアクリレート系化合物では協力作用が認められたが, アンチマイシンAにおいては認められず, シアン耐性呼吸の誘導が, アンチマイシンAでは起こりにくいと考えられた. Gibberella fujikuroi, Pythium sp., Valsa ceratosperma における抗菌協力作用は, 本実験では顕著ではなかった. 病原細菌の Xanthomonas campestris pv. citri および酵母 Sacchamyces cerevisiae においては, 抗菌協力作用はまったく認められなかった.

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