Abstract

医薬品のコクリスタル(共結晶)は,薬効を有する活性分子と添加剤からなる分子結晶である.コクリスタル化を検討する最大の意義は,結晶構造中に組み込まれた第2成分の性質が固体(結晶)の物性に反映されるため,活性成分の化学構造を修飾することなく,原薬の溶解性ならびに生物学的利用能を改善できることである.近年の創薬ストラテジーで創出される難水溶性の候補化合物,特に経口吸収性が不十分なために開発を断念されかけている化合物にとって,その問題を劇的に解決しうるviableな技術ということができる.本稿では,創薬研究者が普段思い浮かべる活性分子の化学構造ではなく,その集合体である原薬の形態について,その中でも近年のトピックであるコクリスタルを中心に,その定義や溶解挙動における特徴から製剤開発における最新の知見と戦略,ならびにレギュレーションの最新動向について解説する.

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