Abstract

要旨 米国では2001年の9.11同時多発テロ発生以来,通常の災害規模を超えたcatastrophic disasterが発生した際,圧倒的な需要と供給の不均衡のもと,いかに限られた医療資源を分配するかが,Crisis Standards of Careという言葉とともに議論され続けている。明確に認識されていなかっただけで,本邦においても1995年の阪神・淡路大震災をはじめ,2011年の東日本大震災や様々な災害現場において,この概念が必要な状況が生じている。常にさらなる災害の危険にさらされている我が国においては,被災者のみならず,災害医療に携わるものすべてを守るためにも,社会全体としてCrisis Standards of Careの概念を共有かつ検討し,現実的な災害計画の一部として導入することが必要であると考えられ,またこのことは災害先進国として世界の注目を集める我が国災害医療の進展に資するところが大きいと考えられる。

Full Text
Published version (Free)

Talk to us

Join us for a 30 min session where you can share your feedback and ask us any queries you have

Schedule a call