Abstract

1950年代に北海道で大規模に造林された外来樹種であるストローブマツ林は,針広混交林への転換が求められている。本研究では,ストローブマツ人工林を小面積(25×25 m)で皆伐し,そのまま放置した「小面積皆伐区」とその後に地表かき起こしをした「かき起こし区」を設定して,高木種の更新を15年間調査した。本研究では,1)かき起こし区の方が更新密度が高いが,小面積皆伐区の方が更新木の成長がよい,2)小面積皆伐に加えてかき起こしによって,ストローブマツの更新が促進される,3)各区内のコドラートの相対位置によって光条件が不均質となり更新密度が異なる,という仮説を立てた。その結果,仮説1は支持された。またストローブマツは小面積皆伐区では更新しなかったが,かき起こし区では主な更新木となっており,仮説2も支持された。一部の樹種では,北側に比べて南側や西側のコドラートで更新密度が高く,仮説3は支持された。以上から,ストローブマツ人工林の小面積皆伐は針広混交林への転換に有効で,ササが濃くなく前生稚樹が存在する条件では,小面積皆伐のみで放置することも有効と考えられた。

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