Abstract

本研究では出芽様式を異にする栽培イネ(Oryza satiua L. )を用いて, 出芽様式と生長特性との関係, また, 植物ホルモンと出芽様式あるいは生長特性との関係を検討した.第1実験では, これまでの実験結果から, 特徴的な出芽様式を示したM型2品種(Tchampa, Hei Chiao Chui Li Hsiang Keng)およびS型2品種(Haginomae Mochi, Shan Kiu Ju)を供試し, 5.5cmの播種深度における幼植物の生長特性を調査した.その結果, M型品種は, S型品種と比べると鞘葉や第1葉の生長が抑えられ, 中茎伸長が優先すること, また, 中茎根の発生が認められることが特徴であった.一方, S型品種は, 出芽は遅れるが, 出芽後の生育が早く進み, 播種後15日目には, M型に比べて葉齢が進んでいた.第2実験では, M型1品種(Tchampa), F型2品種(Darmall, Kotobuki Mochi), S型1品種(Haginomae Mochi)を供試し, 5.5cmの播種深度で, 各種の生長調節物質処理が出芽様式等に及ぼす影響を調査した.その結果, F型品種およびS型品種は, ABA処理によってM型の出芽様式に変化した.また, PP-333やBX-112等のジベレリン生合成阻害処理により, F型品種はS型の出芽様式に変化した.各出芽様式は体内の植物ホルモンによって調節されていることが示唆された.

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