Abstract

近年,東京大学北海道演習林では,公務員の定数削減によって森林を管理する技術者が減少しているため,施業の集約化が求められている。そのため,本研究では,針交混交林の林分構造の変化を明らかにし,伐採木の選木及び林型区分決定の基準化を試みた。分析には,東京大学北海道演習林105林班における許容伐採量を決定するための標準地調査と伐採木を決定するための収穫調査のデータを用いた。分析の結果,現在,択伐施業の対象となる林分は針葉樹の現存量が多いという特徴があることがわかった。また,時間的変化に注目すると択伐施業の対象林分の面積は減少傾向にあることが明らかになった。そして,針葉樹の現存量が少ないかあるいは,成長力の劣っていた林分では,択伐施業が行えなくなっていったことが示唆された。現在,針葉樹中径木,大径木伐採が主流となっているので今後,持続的な択伐施業を行うためには,林型区分や伐採木選木の際,注意を払う必要があると思われる。また,針葉樹が少ないため択伐施業が行えない林分の中には,広葉樹が若干更新している林分もあることがわかり,そのような林分での施業方法を確立することが今後の課題となった。

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