Abstract

Guglielmi detachable coil(GDC)を用いて塞栓術を行い, follow-upの血管撮影で, 術直後にはみられなかったcarotid cavernous fistula(CCF)の一過性の出現を認めた海綿静脈洞部未破裂内頸動脈瘤の1例を経験した.Activated clotting time(ACT)を指標に, 術中, 術後の抗凝固療法を行ったが, ACT以外の検査値から術後に抗凝固活性が非常に高まっていた可能性があり, CCFが出現した後抗凝固療法を中止するとCCFは消失した.このことから過剰な抗凝固療法が, 一過性のCCF出現の要因になっていたと考えられ, 未破裂脳動脈瘤であっても塞栓術施行時の過度の抗凝固療法には潜在的な危険が伴い, 脳動脈瘤の形態あるいは塞栓状況に適した抗凝固療法を行うことが重要であると考えられた.

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