Abstract

スミス・マギニス症候群(以下SMS)は17番染色体p11.2領域における部分欠失をおもな病因とする遺伝性疾患で、主症状は独特の顔貌を含む身体的特徴や知的障害、睡眠障害、行動問題である。わが国では行動問題に関する研究が限られているため、本研究では、子どもの行動チェックリスト(CBCL)を用いた調査をSMSの家族会会員81家族を対象に行った。61家族から回答が得られ(回収率75.3%)、T得点の算出が可能な4~15歳の30名について、総得点および10の下位尺度のうちの4尺度の平均T得点が臨床域にあった。加えて、CBCLの108の下位項目のうち「注意・集中の問題」や「かんしゃくもち」のような29項目の行動が、回答のあったSMSのある研究対象者全61名の50%以上で出現していた。 今後はこれらの行動特徴に関する情報を、わが国のSMSのある人の教育や支援に効果的に生かしていく必要がある。

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