Abstract

積雪変質モデルSMAPを2015-2016冬期の新潟県内アメダス13地点に適用し,積雪深を再現した結果を示す.SMAPの入力データには,アメダス観測結果から捕捉率補正を施した降水量,気温,風速を与えた.捕捉率補正に際しては予め雨雪分離を行っておく必要があるが,本研究では分離の指標として気温を採用し,その閾値Tdiscを現実的な範囲で0,0.5,及び1℃に変化させる3パターンの入力データを作成した.モデルの駆動に必要なそれ以外のデータ(下向き短波・長波放射量,雲量,湿度,及び気圧)は気象庁非静力学モデルの計算結果から与えた.計算された積雪深は,長岡ではTdisc=0.5℃の時に最も良い再現精度が得られていたものの,津南を除く全地点においてはTdisc=0℃の時のスコアが最も良くなっていた.また,SMAPの計算結果がTdiscに非常に敏感であり,Tdiscが1℃と0℃の場合の積雪深計算結果平均偏差が最大で0.41m(小出)にまで達していたことも分かった.一方で,この平均偏差が0.10mと相対的に小さい場所(関山)も見られたことから,雨雪判別方法に敏感な場所とそうでない場所が存在することが示唆された.冬期降水曲線を用いた解析の結果によると,この場所による特性の違いは,降水量自体と降水が最も頻繁に起きる気温帯の違いによって説明出来ることが明らかとなった.

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